内部監査スキル:公認内部監査人(CIA)合格のメリットと学習法
こんにちは、Junです。
内部監査の現場で「全体像が見えない」「何を学べばよいか分からない」「専門用語に戸惑う」といった悩みを抱えていませんか?
これらは多くの内部監査人が抱える課題です。
公認内部監査人(CIA)の資格取得は、これらの課題を克服し、スキルを向上させるための重要な一歩となります。
本記事では、CIA資格取得のメリット、試験概要、そして合格を目指した学習方法について解説します!
公認内部監査人(CIA)取得の3つのメリット
CIA試験は、内部監査実務に必要な能力を保有していることを証明するものであり、以下のような効果が期待できます。
- OJTでの成長が加速する
- 監査に必要な基礎知識を網羅的に学習できる
- 監査対象部門との信頼構築を助ける
それでは、CIA取得が、具体的にどのように日々の業務に役立つのかを見ていきましょう!
OJTでの成長が加速する
CIA資格の学習を通じて、内部監査の全体像や各段階の作業目的をより深く理解できるようになります。
この理解は、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)において、単なる指示をこなすだけでなく、自分の役割や監査手続の意味を能動的に把握しながら仕事することにつながります。
例えば、監査対象部門に質問をする際も、質問リストを読み上げるだけでなく、相手の回答に応じて更に深い質問ができるようになるでしょう。
さらに、監査の専門用語を習得することで、先輩や同僚とのコミュニケーションがスムーズになり、OJTでの成長が一層加速します。
監査に必要な基礎知識を網羅的に学習できる
CIAの試験範囲は、内部監査に関する幅広い基礎知識を網羅しています。
これには、内部監査だけでなく、経営、IT、情報セキュリティ、会計など、監査に必要とされる多様な分野を含みます。
浅く広い知識なので、実際の監査では深掘りして勉強する必要はありますが、まずは幅広く知識を習得することで、監査上の課題に対応するためのベースを作ることができます。
また、リスクベース監査の概念を学ぶことで、監査の優先順位を論理的に判断でき、重要なリスクに焦点を当てた監査が可能になります。
このように、基礎知識を網羅的に学習することで、実務への適応力が飛躍的に向上します。
監査対象部門との信頼構築を助ける
CIA資格は、内部監査人としての信頼性を高め、監査対象部門との関係構築する一助になります。
内部監査人は組織上の独立性が担保されていても、あくまで社内の同僚であり、外部の監査人やコンサルタントほどの権威はありません。
しかし、CIAの資格を持っていれば、監査対象部門の安心感が増し、信頼が築きやすくなります。
資格が専門知識と能力の証明となり、発言に説得力を持たせるため、コミュニケーションがスムーズになります。
この信頼関係は、監査プロジェクトを進めるための重要なベースとなります。
これら3つのメリットにより、CIA資格は内部監査人としての成長や業務を支える強力なツールであることがわかります。
公認内部監査人(CIA)試験の概要
つぎに、CIA試験の概要についてです。
CIA試験の科目や費用などについて、2024年11月10日現在の情報に基づき、解説します。
認定要件
CIAを取得するには、期限以内にすべての認定要件を満たす必要があります。
期限は、初めて受験者登録および試験申込をし、IIA本部での登録が完了してから「3年」です。(1回だけ有料で期限を1年延長できます。)
また、認定要件は、①CIA試験のパート1、2および3の合格と、②実務経験です。
①のパート1〜3の合格については、後ほど詳しく解説します。
②実務経験は、大学院卒業なら1年間の内部監査実務経験*、大学卒業なら2年間の内部監査実務経験*が必要です。
*または同等の実務経験
内部監査と同等の実務経験とは、以下の分野における実務経験です。
- 品質のアシュアランス業務
- リスク・マネジメント
- その他の監査または評価実務
- コンプライアンス
- 外部監査
- インターナルコントロール
なお、試験プログラムの有効期限の3年を過ぎてしまったら、既合格パートもリセットされ、最初から受験しなおしです。
また、いずれかのパートに落ちてしまったときの再受験ですが、以下のような制約があります。
- 試験プログラムの有効期限中に受験できる回数は最大8回まで。
- 前回受験した日から30日以上の間隔を空ける。
受験科目
試験は3つのパートに分かれ、各パート毎に受験します。
どのパートから受験しても大丈夫です。
例えば、最初はパート3から受験し、その2ヶ月後にパート1、その1ヶ月後にパート2を受験する、ということもできます。
各パートの内容、設問数・試験時間は以下の通りです。
パート | 内容 | 設問数・時間 |
---|---|---|
Part1: 内部監査に 不可欠な要素 | I. 内部監査の基礎(15%) II. 独立性と客観性(15%) III. 熟達した専門的能力および専門職としての正当な注意(18%) IV. 品質のアシュアランスと改善のプログラム(7%) V. ガバナンス、リスク・マネジメントおよびコントロール(35%) VI. 不正リスク(10%) | 125 問 2.5 時間 |
Part2: 内部監査の実務 | I. 内部監査部門の管理 (20%) II. 個々の業務に対する計画の策定 (20%) III. 個々の業務の実施 (40%) IV. 個々の業務の結果の伝達および進捗状況のモニタリング (20%) | 100 問 2 時間 |
Part3: 内部監査のための ビジネス知識 | I. ビジネス感覚 (35%) II. 情報セキュリティ(25%) III. 情報技術(IT)(20%) IV. 財務管理(20%) | 100 問 2 時間 |
CIA 試験パートごとの素点(正答数)は、250から750までのポイントに換算されます。
CIA 試験の合格には、換算ポイントで600 以上が必要です。
受験費用
受験費用は以下の通りです。最安※で148,000円なので、直感的には安くはないです。
※IIA個人会員が全科目にそれぞれ1回で合格した場合
しかし、CIA取得により職場での評価が上がる、または転職時のアピールポイントになる可能性があります。
そのため、このくらいの金額なら回収可能であり、価値ある投資だと私は思います。
IIA個人会員 | IIA個人会員以外 | |
---|---|---|
CIA登録料 | 18,000円 | 36,000円 |
Part1 受験料 | 46,000円 | 66,000円 |
Part2 受験料 | 42,000円 | 62,000円 |
Part3 受験料 | 42,000円 | 62,000円 |
なお、資格取得後もCIA資格更新料が年間4,500円(IIA個人会員以外:18,000円)かかります。
シラバス改定
グローバル内部監査基準(GIAS)が2025年1月9日から適用されます。
これを受け、受験する言語が日本語の場合、2025年7月から新シラバスによる試験が開始されます。
試験の新しい構成は以下の通りです。(英語版の新シラバスを私が日本語訳したものです。)
構成 | 内容 | 設問数・時間 |
---|---|---|
Part1: 内部監査の基本 | A. 内部監査の基礎(35%) B. 倫理と専門職としての気質(20%) C. ガバナンス、リスク・マネジメント及びコントロール(30%) D. 不正リスク(15%) | 125 問 2.5 時間 |
Part2: 個々の内部監査業務 | A. 個々の内部業務の計画策定 (50%) B. 情報収集、分析及び評価 (40%) C. 個々の内部業務の監督とコミュニケーション (10%) | 100 問 2 時間 |
Part3: 内部監査部門 | A. 内部監査の運営 (25%) B. 内部監査の計画(15%) C. 内部監査部門の品質 (15%) D. 個々の内部監査の結果とモニタリング(20%) | 100 問 2 時間 |
なお、現行の試験で合格したパートは新シラバスによる試験開始後もすべて有効です!
試験内容の改訂によって、全部受け直しになることはないので安心してください。
公認内部監査人(CIA)に合格するためのポイント
ここからは、CIA試験の勉強法について悩んでいる方に向けてです。
ちなみに、私はなまじ公認会計士を持っているため、落ちたら馬鹿にされるのではないか。。と結構なプレッシャーの中で受験しましたが、
しっかり準備をして受験したので、幸い全パート1回で合格できました。
ここでは、私の勉強方法と当日の過ごし方についてご紹介します。
それぞれ勉強スタイルはあると思いますが、1つのやり方として参考になると嬉しいです。
勉強方法
専門学校を使う
私は専門学校のアビタスを利用しました。
独学という方もいるようですが、私は独学より専門学校を使った方が良いと思います。その方が効率良く勉強できて、時間の節約になると考えるからです。
まずはアビタスの授業を一通りWebで視聴しました。つぎに問題集を解き、正解以外の選択肢もなぜ不正解なのか丁寧に理解しました。
アビタスの模試も受験可能なものは全て受験しました。
テキストへの情報集約
つぎに、問題集や模試を用いてテキストをパワーアップさせました。
具体的には、“問題集や模試で自分が間違った選択肢”や“問題集や模試で初めて知ったこと”をテキストの該当箇所に書き込み、情報をテキストに集約しました。
試験前はテキストさえ見れば、すぐに復習可能な状況にしたかったからです。
テキストを読んだ日付をテキストの目次に書き込んでいたので、何回読んだか数えたところ、
パート1は9回、パート2は7回、パート3は4回テキスト全体を読み返していました。
当日の過ごし方
私はすべて午後受験でした。
CIA試験は暗記も大事なので、試験当日にテキストを復習したかったからです。
試験前に疲れを溜めないため、集中力に自信のない方は苦手な箇所だけ重点的に復習してみてください。
該当箇所に付箋を貼っておくと効率的です。
試験時間中は、問題を解き終えた後も時間を有効に使い、回答を丁寧に見直すことをおすすめします。
問題を読み間違っているかもしれませんし、操作ミスで自分が意図した回答と違う回答をしているかもしれません。
ケアレスミスでギリギリ不合格なんて、もったいないですからね。
まとめ
CIAの取得は、内部監査人としてのスキルを大きく向上させます。
また、OJTの効果を高め、監査対象部門との信頼構築にも役立ちます。
試験準備は大変ですが、効果的な勉強方法を取り入れれば、十分合格可能な試験です。
皆さんがCIAを取得し、内部監査のプロとしてさらに活躍されることを祈っています!