会計士が知っておきたい内部監査の魅力:ワークライフバランスから成長機会まで徹底解説!
こんにちは、Junです。
会計士の転職はコンサルタント、経理、CFO、独立開業など、選択肢が多くて悩みますよね。
私も悩んだ末に、事業会社の内部監査部門に転職しました。
事業会社の内部監査部門に転職する会計士は少数派であり、情報も少ないと思います。
そこで・・・
- 転職について悩んでいる会計士
- 内部監査に興味はあるけど、イメージがわかない会計士
に向けて、自身の経験を基に、会計士が内部監査で働くことの魅力についてお伝えいたいと思います!
少しでも参考になれば嬉しいです。
内部監査の仕事について
まずは簡単に内部監査の仕事について、ご紹介します。
内部監査の目的と内部監査への期待
内部監査は社内で監査やコンサルティング業務を提供することで、自社の成長に貢献する仕事です。
そして、ひいてはステークホルダーや公共の利益に資することが求められます。
ご参考までに、グローバル内部監査基準での内部監査の目的をご紹介します。
内部監査は、取締役会及び経営管理者に、独立にして、リスク・ベースで、かつ客観的なアシュアランス、助言、インサイト及びフォーサイトを提供することによって、組織体が価値を創造、保全、維持する能力を高める。
(出典:グローバル内部監査基準_ドメインI 内部監査の目的)
また、昨今では内部監査人は「信頼されるアドバイザー」として、経営陣をはじめとする組織内の役職員に対し、
経営戦略に資する助言を提供することが期待されています。
非常にやりがいのある仕事です!
財務諸表監査と内部監査の違い
外部監査人による財務諸表監査と内部監査の違いをまとめてみました。
財務諸表監査 | 内部監査 | |
---|---|---|
目的 | 財務諸表の適正性に関する 意見表明 | 組織体が価値を創造、保全、 維持する能力を高める |
監査対象 | 財務諸表 | 企業の活動全般 |
基準 | 一般に公正妥当と認められる 企業会計の基準 | 監査対象・項目ごとに異なる |
目的の違いから、内部監査の方が監査範囲が広く、会社のビジネスに対する幅広い理解が求められます。
内部監査の魅力
つぎに、会計士にとっての内部監査の魅力について、ご紹介します。
- ワークライフバランスが改善する
- 監査の知識・経験が活かせる
- 視野が広がる・視座が高まる
- 語学力が活かせる
ワークライフバランスが改善する
私が転職した大きな要因は監査法人の働き方でした。
繁忙期は長時間労働は不可避ですし、主査以上になると繁忙期に限らず常に忙しい。
さらに、残業規制が厳しくなり、仕事量は大きく減っていないのに、作業時間だけは制限されるのもストレスでした。
昨今は監査法人の働き方も改善されてきたようですが、タイトな期日で仕事をする忙しい仕事であることに変わりないと思います。
私は内部監査に転職後、残業がかなり減って、家族との時間や自己研鑽の時間が取れるようになりました。
休日出勤も基本的になくなりました。年に1回あるか、ないかのレベルです。
働き方が大きく改善されて、内部監査に転職して本当に良かったです。
監査の知識・経験が活かせる
ご存知の通り、監査においてリスクベース・アプローチは非常に重要です。
リスクを評価し、監査の目的を明確にした上で、監査手続を立案、実行します。
監査法人でしっかり学んだ方は、この考え方が身についています。
そして、十分な心証を得るために、どこまで確認すれば良いのかの感覚が優れています。
この感覚は、監査対象が財務諸表でなくても、活かすことができます。
さらに、根拠となる基準に照らして、問題点をロジカルに整理する力も持っています。
あなたは、自然に行っているかもしれませんが、
監査経験なく内部監査に異動してきた方にとっては簡単なことではありません。
監査法人で培った知識・経験は内部監査で必ず役に立ちますし、アドバンテージになります。
そして、その知識・経験で同僚をサポートすることで、同僚に感謝してもらえるでしょう。
視野が広がる・視座が高まる
「財務諸表監査と内部監査の違い」に記載した通り、内部監査の守備範囲は広いため、より幅広く学ぶ必要があります。
この学びを通じて、専門家としての幅が広がり、多角的に会社を見ることができるようになります。
さらに、上述の通り、昨今では内部監査人は「信頼されるアドバイザー」としての役割が期待されています。
経営者の目線で会社のリスクを考えることにより、視座を高めることができます。
語学力が活かせる
監査法人には、語学学習に力を入れている方も多く、海外駐在経験を持った方もいます。
語学力を活かしたい方または伸ばしたい方にも、内部監査は良い選択肢だと思います。
今や多くの会社が海外子会社を持っており、海外子会社の監査を実施しています。
海外子会社の現地従業員へのインタビューや証憑閲覧の際に、あなたの語学力を存分に活かすことができます。
内部監査への転職時の留意点
内部監査には多くの魅力があります。
一方で、内部監査への転職を検討するにあたり、確認すべきポイントも3点ご紹介します。
- 同僚の年齢層が高め
- 会計と疎遠になる可能性がある
- 年収が下がる可能性がある
同僚の年齢が高め
内部監査部門は社内で業務経験を詰んだ方が異動してくることが多いため、
結果として平均年齢が高くなりがちです。
そのため、あなたが20〜30代で内部監査に転職した場合、年上の同僚が多い職場環境であることが予想されます。
「同世代の仲間達と仕事がしたい!」という方は、
転職希望先の年齢構成は確認した方が良いです。
一方で、経験豊富な同僚からは学べることも多いので、これはメリットでもあると思います。
私も会社のビジネスや知識が不足している分野について、たくさん教えてもらっています。
そのため、学ぶことがある優秀な同僚がいそうか?
という観点から、転職希望先に
どのような経歴を持った方が内部監査部にいるのか
を確認するのも良いと思います。
会計と疎遠になる可能性がある
これは、内部監査部門がカバーする領域によりますが、
内部監査部門が会計監査をカバーしていない場合または割合が低い場合、
監査法人時代に比べて会計に触れる機会が圧倒的に減ります。
他社事例に触れる機会もなくなりますし、最新の会計基準のキャッチアップは意識的に行う必要があります。
会計を強みにしたい、または会計論点の整理が好きな会計士には内部監査は向いていないかもしれません。
年収が下がる可能性がある
監査法人ではマネージャー手前くらいになると残業代込みで年収1千万円近くなることもあると思います。
しかし、内部監査に転職すると、監査法人の給与を下回ることが想定されます。
これは内部監査だけでなく、経理などの組織内会計士にも共通だとは思いますが。
ワークライフバランスが改善され、残業代が減るので、それに伴って年収は下がってしまいますね。。
まとめ
今回は内部監査の目的、魅力および転職時の留意点について書きました。
改めて振り返ると、このような内容です。
- 内部監査は「信頼されるアドバイザー」として経営陣を支える役割が期待され、やりがいを感じられる職種である
- 財務諸表監査とは異なり、会社全体を対象に広範な業務に関わるため、視野が広がり、多角的なスキルを身につけることができる
- ワークライフバランスの改善や監査経験の活用、語学力を活かす機会も得られる
- 一方、同僚の年齢層が高め、会計からやや疎遠になる可能性、さらに年収が下がるケースもあるので、これらを理解したうえで、自身のキャリアビジョンと照らし合わせて判断することが大切
内部監査はまだ公認会計士の転職先として少数派かもしれませんが、
今回の記事を通して内部監査に興味を持つ会計士が少しでも増えると嬉しいです。
内部監査を通じて、さらに多くの会計士が組織の価値創造に貢献できるキャリアを築いていただければ幸いです。
最後に、転職活動のサポートとして、私自身も利用した転職エージェントであるMS-Japanさんの活用もおすすめです。
良い案件の紹介や、複数応募時のスケジュール調整など、頼れるパートナーとなってくれるでしょう。
皆さんのキャリアがより充実したものとなるよう、祈っております。
それでは、またお会いしましょう!